賄いは実験だった!
先日、双子の弟が勤めていた旅館に宿泊してきました。
昨年、突然亡くなった弟がどんな場所で、どんな働き方をしていたのか。
実際に彼がいた場所に身を置いてみたいと思い、足を運びました。
旅館は、雪深く静かな場所にあり、もう3月も終わるのに雪は残っていました。
そんな寒い場所に佇む旅館に足を踏み入れると、やわらかい照明と、余白のある空間が広がっていました。

食事、お風呂、サービス、どれも丁寧できめ細かいおもてなしの気持ちが伝わり、自然と笑みがこぼれる時間でした。
そんな中で、スタッフの方が、弟のことを少しだけ話してくれました。
・弟は賄い作りにこだわって、調味料からつくっていたこと。
・弟が賄いを作る時には、希望者が多く、みんなが美味しい、と言って食べていたこと。
・賄いの説明をされても、『よくわからないカタカナ並べているね』とみんなで話していたこと。
この話を聞いた後、雪景色を見ながら露天風呂に浸かっていたら、弟からの声が聞こえた気がしました。
『俺は、イチから手作りの料理を提供したかった。
お客さんに提供できる!と認めてもらえる料理を賄いを通して実験していたんだよ』
弟は、賄いを通じて日々のアップデートを目指していたのだと感じました。
試しながら少しずつ形にしていく弟の仕事への姿勢は、今後の生き方へのヒントとなりました。
これまで学校という限られた場所で子どもたちや保護者の方、先生方と関わり、「知っていることで助かること」がたくさんあると感じてきました。
そしてそれは、自分が勤務する学校の中だけにとどめておくには、もったいないものとも感じました。
弟の姿勢を通して、これまで自分が大切にしてきたことや、これからやっていきたいことが、少しずつ重なって見えてきました。
これまでの経験の中で得てきたことを、
少しずつ形にして、必要な方に届けていきたいと思います。