箱庭療法を導入しました
保護者や教員、本人の話を聴きながら支援として有効になりそうな場合に箱庭療法を導入しました。
箱庭療法は、砂の入った箱の中に玩具をどんどん置いて、世界観を表現して心理状態を理解したり、無意識の中にあるものを表現することで、今まで抱えていた軋轢が解放されて症状が改善することも期待される治療法です。
砂に触れて、表現をしながら「根底にあるごく自然な本能的な部分に触れる」作業になるため、癒しの効果にもなります。
今回、学校の中で問題行動が多く教員も保護者もどのように対応したら良いのか、わからずに困っていたため、箱庭療法を行いました。
通常学級在籍の小学生男児の特徴
- 授業中に机の上に立ってしまう
- すぐにイライラしてお友達とのトラブルが多い
- 自分がやりたいことがやれないと、イライラして八つ当たりをする
- 学校の勉強が簡単すぎてつまらないので学校に行きたくない
- あっという間に漢字やローマ字を覚えるが、書字が極端に苦手
- チック症状がある
制作中の様子
- 動物たちを闘わせて「勝った」「負けた」と勝敗をつける
- 動物たちを集めて「こっちは仲間」「こっちは敵」と分類をする
- 動物を埋めて「救出!」と言って掘ることを繰り返す
- 特に動物を埋めているときに、チックの症状がほとんど出ない
- 動物が闘う中、最後まで勝ち残ったのはオオカミで、「これが自分」と話す
- 他の遊びはすぐに飽きてしまうが、夢中になって1時間以上遊ぶ
- 「お家にもこれがあったら面白いのになぁ」と話す
わかったこと
全体的に強さへの憧れもあり、対立や葛藤が見られ、情緒的成長はゆっくりに見られます。
そのため、情緒の成長を促すためのソーシャルスキルトレーニングを導入することや情緒的に安定できるように家庭の中での満足感を得られるような関わりが必要になりそうです。
箱庭療法を通じて作った作品の物語を自分で表現をすることが本人の知的欲求を刺激するため、今後も継続することが本人の状態安定につながりそうです。
今回の作品で得た情報を元に今後どのような関わり方をしていくのか、教員や保護者と連携しながら考えていくために箱庭療法は有効になるため、今後も継続していこうと思います。