わかっているのにできない理由
「やり方はわかっているはずなのに、どうしてできないんだろう」
そんなふうに感じる場面はありませんか。
説明すれば理解しているように見えるのに、
いざやろうとすると止まってしまう。
何度も同じことを伝えていると、
「どうしてできないの?」と感じて、ついつい怒ってしまう。
そんな相談をこれまで何度も受けてきました。

この「わかっているのにできない」状態を分解して考えると3つの段階があります。
① わからないから、できない状態
やり方そのものがわからず、行動に移せません。
この段階では「わからない」と言いやすいことが多いです。
② やり方がわかればできる状態
やり方を教わればできるけれど、
まだ一人ではできるときもあれば、できないときもあります。
うまくいったり、いかなかったりを繰り返しながら、少しずつ身につけていく途中の段階です。
実は、この時期が一番しんどい時期でもあります。
できるときとできないときの差があることで、
「やっぱりできない」と感じたり、
①の状態に戻りたくなることもあります。
周りからは、「できるときもあるのに、どうして?」と感じやすく、関わる大人にとっても戸惑いやすい時期です。
③ 何も見なくてもできる状態
繰り返すことで体が覚え、
意識しなくてもできるようになります。
この段階までくると、
取り組むことへの負担もぐっと減っていきます。

周りから見ると「できるはず」と感じる場面でも、本人はまだ②の途中にいることがあります。
もし、本人がまだ②の渦中にいるとしたら、
「できるでしょ」
と言われると、余計に苦しくなってしまうかもしれません。
そんなときは、
「一人でできるかどうか」ではなく、
「どの段階にいるのか」に目を向けてみることで、本人も周りの大人も少し気持ちが楽になるかもしれません。
たとえば、
・やり方を一緒に確認する
・手順を見える形にする
・少し手伝いながら進める
そんな関わりが、②の段階を支え、自信を持って取り組み続けることにつながると思います。

子どもが「できない」のは、
「できるようになる途中」にいるとき。
「どうしてできないの?」と考える前に、
「今、この子はどの段階にいるんだろう?」と、
一度立ち止まってみてください。
その視点の変化が、
子どもの挑戦を支える関わりにつながっていくかもしれません。